哀しきゴールドクレスト
コニファー類の造詣を深めるため専門誌や各ホームページで調べたり実物を見に行ったりしているのですが、色々なことが分ってきました。
この時期になると、ホームセンターや園芸店の店先に樹高20㎝~1m位の鉢植えやポット植えのゴールドクレストが所狭しと並べられ比較的手頃な価格で売られています。
”モントレーイトスギ「ゴールドクレスト」”が正式な名称で、北米カリフォルニア州モントレー付近に偏在するモントレーイトスギの改良園芸品種。最も美しい葉色・樹形・香りと言われるコニファー普及の功労樹です。
しかし、寄せ植え植材として短期間の利用や鉢植えはともかく、地植えでまともに育っているものは希です。
成長が極めて早く、数年で4mを軽く超え、最終的には10mを超える大木になる要素を持った樹木です。
根張りが荒く浅い上に葉も密に茂るため強風に弱く傾いたり倒伏しやすい、日本の気候(特に高温多湿な梅雨~夏)に合わず、泥はねや蒸れからくる病気などで下枝や樹冠内部に枯れが生じ、樹木自体も枯れやすいという欠点が指摘されるようになってきました。
「コニファーは手入れが要らない」という誤った情報からか、植えっぱなしで放任されることが多く、剪定や支柱もされないまま、あっという間に巨大化しモサモサの状態になって自重と風で傾き、下枝や内部が枯れ上がり、どうしようもなくなって最後は無残な姿になるオチが待っているという哀しいコニファーです。
(1.5m位の小さいうちから透かし剪定、支柱立て、病気の予防などこまめに手入れをしていればその美しさをある程度保てるとは思うのですが…。)
ちなみに私の愛読書になっているコニファーの専門誌2誌ともゴールドクレストはオススメ品種には入っておりませんし、当社のホームページの「おすすめ樹木」にも入れません(^^;